京都四条烏丸にオープンしたCRAPHTOの撮影スタジオ
CRAPHTOのスタジオは2022年に完成した新しいスペースで詳細を紹介します。
京都の中心、四条烏丸にある廣田紬(株)の社屋は伝統的な表屋造りの京町家です。通りに面した店の間(現在はギャラリースペース)、座敷、中庭、土蔵と奥行きのある構造になっています。
1F、2Fはレンタルスペース、ハウススタジオとして貸し出しており、和の空間を利用した撮影スペースとして大変好評です。
ブツ撮りを行う際は、2Fの広間で撮影で行っていましたが、畳や土壁のアンバー系の色空間の中、正確な色表現のため被写体の周りを囲ったりする工夫が必要でした。
さらに本格的な人物撮影なども行うことができるスタジオを求める声もあり、3階の遊休スペースを改装し、専用の撮影スタジオを造ることになりました。
和空間を改装して写真スタジオへ
3Fは社員寮として使われていたスペースで、廊下と個室で構成されていました。建屋自体はRC造ですが、内装も板間と畳敷きのスペースがあるなど和の雰囲気に調和させた作りでした。それを撮影に向いた広いスペースを確保するため、一旦内装を「がらんどう」にして、再構成することにしました。
完成したCRAPHTOの新スタジオ
本来は梁が走っていた天井は、美しい光のまわり込みを得られるようあえて天高を抑えてフルフラットに仕上げました。さらに高演色LED照明(調光機能付)を配置、正しい色味で被写体を確認することが可能になっています。南、北、東、からの3面採光が可能なスタジオで、自然光だけもかなりの光量を確保することが可能です。
スタジオ図面がこちら。
倉庫や備品スペースがあるため実質70㎡程度ですが、可動式備品ラックを移動させることで必要に応じた撮影スペースの確保を柔軟に行うことが可能になっています。仕立て上りの着物など大きな被写体を撮影する場合は10m以上の引き代を取ることが可能です。
北側の壁を全て白壁にしており、背景紙を使う必要がない撮影の場合、普段はこの北側壁をベースに白バックとして使用します。仕立物の着物以外はほとんどこのパターンで対応することが可能です。
新しく設計されて完成したCRAPHTOのスタジオですが、従来の京町屋空間を活かした撮影にも対応するのもポイントです。
新設の数奇屋ギャラリーでの展示写真はもちろん、中庭をバックにした撮影、様々な和のプロップを使った撮影は従来のハウススタジオでは不可能なCRAPHTOならではの写真表現です。
CRAPHTOのスタジオでは、工芸品の魅力を最大限に引き立てる撮影が日夜行われています。