工業製品の美を攻める超高精細マクロ撮影
CRAPHTOでは主に工芸品や美術品の撮影を手がけていますが、その特殊な技術を活かして工業製品の撮影も行っています。
工芸品や美術品は人の手による手仕事の技の精緻さ、自然素材そのものが放つ美しさがあります。いままでの写真表現では伝えきれなかった隠された魅力を高精細画像で届けるのがCRAPHTOのコンセプトです。
一方、機械で大量生産された工業製品は画一的でのっぺりとした表情をもつためか、細部をあらわにする高精細撮影の需要は多くありません。しかし一部の特殊な領域においては高精細撮影を行い画像を提供しています。
微細な工業製品の超高精細マクロ撮影
CRAPHTOの行う超高精細撮影画像は数億画素という非常に大きな解像度を持つため、等倍マクロ画像をズームアップするだけでも相当に大きな拡大倍率を稼ぎ出すことができます。さらに焦点距離を伸ばすエクステンションリングやコンバーターを組み合わせることで顕微鏡画像のようなマクロ画像を取得することができます。
顕微鏡画像は自由度の高いライティングが難しく、撮像範囲や被写界深度に限界があります。CGなどのレンダリングデータを使うのも悪くないのですが、やはり実物の加工具合を判別させるにはリアルな写真が必要になります。
例えば注射針のケースで実例を紹介しましょう。
こちらのディスポーザブル注射針、針先の太さはφ0.3mm、内径はφ0.14mmになり、各種注射針の中ではかなり細い部類になります。
注射針は採血、麻酔用等の目的や穿刺箇所に応じて様々な形状をしています。針先が刺さる際の痛みを軽減するランセット加工、バックカット加工がされていて、2段階の傾斜を持っています。これらは通常の顕微鏡でも撮影することもできますが、解像感が足らずどこかのっぺりとした画像となってしまいます。
CRAPHTOで超高精細マクロ撮影を行った絵がこちら。
針先と内径がはっきり分かるのはもちろん、ランセット加工の金属の挽き目まで表現することができます。背景を完全な黒とし、針先だけにピンポイントで照明を当てることで被写体を浮き上がらせてコントラストを高めています。
被写体が肉眼で十分に確認できない場合は顕微鏡で形状を確認、撮影角度を組み立てて微調整していく必要があります。
普通に撮影する分にはカメラ側で角度調整をして追い込んでいきます。しかし被写体が極端に小さい場合は変化を作るのは難しく、被写体側の角度を動かして微調整をする必要があります。被写体が一つだけであればなんとか対応できますが、数十個を同じ角度で対応する必要があるとなると非常に大変です。
そこで登場するのがゴニオステージ、XY方向の微調整はもちろん、円弧駆動によりカメラの画角から外れることなく角度の微調整が可能です。
機械によって画一的に作られた工業製品であっても、マクロ領域に寄ることでその加工美を見いだすことができます。今回は微細な針の撮影事例を紹介しましたが、電子部品などの各種コンデンサー類、ICチップのマクロ撮影などもお任せください。
単に顕微鏡で撮影しただけのフラットな画像では伝わりきらない商品の特徴をCRAPHTOのスタジオ撮影はうまく引き出し、商品をより魅力ある画像で顧客に届けます。