美術品の展示会をアーカイブ、作品を英語で海外発信する

過日、京町家のギャラリー「玄想庵」で行われた田中千世子( Chiyoko Tanaka )さんの展示会、作品をスタジオ撮影を行い、ギャラリー展示風景を含めたWEBサイトを作成しました。
田中千世子さんは京都鷹峯に工房を構えるテキスタイルアーティストで、その作品は海外の美術館でも多数収蔵されており高い評価を得ています。
今回玄想庵で展示を行うにあたり、作品をどのように京町家に調和させるかがポイントとなりました。これまでは美術館の白い壁といった硬質な空間での展示になりましたが、土壁、畳、木材といった異素材が交差し合う和の空間において、田中先生の作品は見事なほどに馴染みました。
田中先生は本展示の様子を含めた作品情報を海外の美術館、ギャラリーに伝えたいとのことで、CRAPHTOでは作品を超高精細撮影を行い、展示の様子含めてWEBで公開する運びとなりました。
https://craftcatalog.jp/chiyokotanaka/
WEBサイトは当初から日本語の表記を一切せずに全て英語でテキストを構成、昨今のブラウザの自動翻訳で作られた不自然さを排除しています。
作品が非常に繊細なものなので、スタジオ撮影での作品の取り扱いに非常に気を遣います。糸(多くは絹や麻)一本一本に泥が擦り込まれている作品では、繊維が切れたりほつれたりしないように、細心の注意でセッティングする必要がありました。
大きな作品はアームに固定して撮影、レーザー光を使って平面度を測り撮影をしていきます。
ギャラリースペースを利用して展示した作品は朝方の自然光で撮影を行います。一列にコーヒーカップが並ぶ独特の作品ですが、手前から奥まで全てにピントが合うように複数まいに分けて撮影した後、それらを被写界深度合成を行い一枚の写真に仕上げています。
CRAPHTOでは作品の展示会の事前にデジタルカタログを作成、販促にご利用いただくケースを想定していましたが、今回は展示会の会期後に展示の様子を伝えることを目的にして作成させていただきました。日本の展示会の様子を作品カタログ含めて海外に発信するのは大変有意義なことです。
工芸、美術のマーケットは海外にも広がっていますので、他言語で積極的にアピールしていきたいものです。