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-BLOG-
工芸品撮影録

2023/10/20

古い写真や古書の復元、デジタルアーカイブ

CRAPHTOでは様々な工芸品の撮影を行っていますが、中には歴史的価値のある古書や写真などをデジタル化する撮影も行っています。

書物は経年による劣化に加え、虫による蝕害の危険性、さらに火事や盗難にあって失われてしまう可能性もあります。特に近代に入って洋紙(酸性紙)が使われるようになってからは50〜100年でボロボロになって崩壊しまうこともあり、貴重な人類の文化的遺産が失われてしまわないか、保存性の面で大変危惧されています。

それらは撮影してデジタル化することで、貴重な内容を未来の世代に伝えることが可能になります。

こちらは古い茶話杪、当時(寛政年間:1789年から1801年まで)の茶の湯の様子が書かれた貴重な文化資料です。

和紙は昨今の西洋紙に比べて大変耐久性が高く、1000年持つと言われています。ここ数十年で現れたデジタル文書より末長くこの世にあり続けることは確かです。しかし火災や盗難などによる消失の可能性や虫食いによるダメージが懸念されます。このまま眠らせておくと一生日の目を見ずに朽ち果ててしまう可能性もあります。人類の文化的遺産をデジタルアーカイブ、公開すれば必要としている誰かに触れてもらうことが可能になります。

200年の眠りについていた貴重な書物を撮影させてもらいました。

撮影は1ページづつ開いて定常光を使って俯瞰撮影していきます。非常に古い本ですので被写体へのダメージを与えないよう、紙面を押さえつける(通常は平面ガラスなどで平坦にする)ことなく撮影しています。得られたデジタルデータはソフトによって台形補正を行い、余計な部分をカットして再度製本化することも可能です。

 

また、古い写真資料についても同様で、写真が変色したり、カビやシミなどが発生して写真として鑑賞に耐えない可能性があります。それらを最新のデジタル技術で劣化を修復、印刷することで見違えるほどのクオリティーに生まれ変わります。

例えばこちらは古い生け花のアルバムを撮影してセピア色を補正、わかりやすく引き伸ばしたものです。100年ほど前に印刷されたハガキ大サイズの写真ですが、A4程度に引き伸ばしても破綻がなく非常に細かなディティールまで再現することができました。

CRAPHTOだからこそ可能な文化財のデジタルアーカイブ

実は古い書物、写真のデジタル化、補正等はCRAPHTO以外にも様々な写真業者が行っています。昨今のデジタルテクノロジーを駆使すれば技術的に難しいものではありません。最近は白黒写真をAIがカラー化してくれたりと、技術の進化はとどまるところを知りません。写真や文章をある程度キレイにしたいという要望なら、スマホをかざせばAIが自動的にアルバムを作ってくれる時代がやってきています。プロによる作業の必要性は薄れてきているといってよいでしょう。

しかしCRAPHTOは工芸品、文化芸術に長けた専門家が集まっています。素人には取り扱い判断が難しい貴重な資料を丁寧に扱い、AIには判断がつかない補正、レタッチを行うことが可能です。さらに単にデジタル化を行うだけではなくデータをWEB上で閲覧するビューワーの提供、WEBサイト作成も行っています。

失われゆく大切な文化的資料を保存、未来に伝え活かすチャンスをCRAPHTOは作ります。

 

 

 

 

 

 

営業時間:8:30~17:30 (定休日:土日祝) 075-351-1414
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