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工芸品撮影録

2023/06/22

超高精細撮影におけるマルチショットの優位性(歴史編)

マルチショット撮影は複数回シャッターを切って撮影、それらの画像を合成処理することで色表現の正確性や解像度を上げる撮影方法です。

マルチショットは「画素ずらし」と呼ばれ、業務用機材の特別な機能ではありません。昨今ではコンシューマーモデルにおいてもボディ内の手ぶれ補正機を利用して、様々なメーカーがマルチショット撮影を可能にしています。

富士フイルムのカメラGFX100に搭載されているマルチショットのイメージ図、手ぶれ補正機構を使用する。

2015年に登場したリアル・レゾルーション・システム(ペンタックス)、ハイレゾショット(オリンパス)を皮切りに、ハイレゾモード(パナソニック、ライカ)、ピクセルシフトマルチショット(富士フイルム)、ピクセルシフトマルチ撮影(ソニー)、最近ではキヤノンがR5のファームアップにおいて4億画素の撮影が可能なマルチショット機能(IBISハイレゾ撮影)を展開するなど大手メーカーで導入していないのはニコンだけと、もはや流行りの感すらあります。

※2023年10月に発売されたNikonZfに「ピクセルシフト撮影」が搭載、ファームアップ等で他機種にも展開していく模様

本来の撮像素子が持つ画素数を数倍にも広げる魔法のような技術ですが、本当にそのような効果があるのでしょうか。CRAPHTOではHasselbladのマルチショットモデルを使用していますが、その優位性について開発の歴史を踏まえ、実際にその効果についても紹介いたします。

 

昔は当たり前だった中判カメラのマルチショット

実はマルチショットの技法自体はかなり昔からあり、デジタルカメラの黎明期から存在します。デジタルバックは1990年代にコマーシャルフォトで使われるようになりましたが、1992年にイスラエルのLeaf社が初めて製品化します。DCB-1と呼ばれたそれは40×40mmの大型のセンサーを積んだ400万画のモデルでした。撮像素子(フォトダイオード)は人間の目のように色を感じる特性がないため、1回のシャッターで3原色を取り込むことができません。そこでRGBの各3色をそれぞれ3回に分けて撮影、合成して1枚の絵を作っていました。

LEAF社のマルチスペクトルカメラDCB-1、CCDの温度管理のため巨大なヒートシンクをもつモデルであった。

光を3原色に分けて撮影する多重露光システムですが、赤、緑、青のカラーフィルターをレボリング可能なアタッチメントがあり、電動ホイールが回転してそれぞれ3回撮影していたのです。この方法だと撮影に時間がかかる上、レンズ前のターレットが邪魔で撮影の自由度が大きく下がります。さらにフィルターが指紋、ほこりの影響を受けやすくフレアの影響を受ける可能性がありました。

なにより致命的なのは人などの動く被写体に使用できないことです。それでも手間をかけて撮影された三原色合成画像は素晴らしい画質で、画素数が同じ現在のデジタルカメラより美しい画質を得ることが可能でした。

ベイヤーフィルターによる不完全な1ショットカラー画像

ワンショットでRGBすべての色を取り込むには、撮像素子の前にCFA(カラーフィルターアレイ)と呼ばれる原色フィルター(RGBモザイクカラーフィルター)を置きます。一般的に使われているのはRGBを1:2:1の比率で配置するベイヤー配列のものです。ベイヤーフィルターと呼ばれるそれは、例えば400万画素のセンサーならR:100万、G:200万、B100万ピクセルで画素が構成されることになります。G(グリーン)の比率が多く、一般的なセンサーが緑色に見えるのはこのためです。

1970年代にKodakによって開発されたベイヤー配列、今現在もこのパターンが主流である。

ベイヤーセンサーはフィルターを透過する色を選別して一度に取り込むことができる画期的なセンサーです。レンズの前にカラーフィルターをつけて回して撮影するより、撮像素子(CCD)の直前に配置したほうがスマートなのは明らかで、システムの小型化につながり、ワンショットでの撮影に臨むことができます。

しかしこの方法で得られた画質は3ショットタイプに比べて大きく劣ることになります。撮像素子はカラーフィルターで一部がマスクされ、本来受け止めるべき光の情報量が欠けているのです。欠けている=情報がゼロのままでは画像はピクセルが抜けて、眠い絵作りとなってしまいます。そこでマスクにより得られなかった情報は隣接するピクセルから演算によって導き出され、欠けたピクセル分が適当に補完(専門用語では補間処理)されて画像を生成します。

事実、カラーフィルターを取り除いたモノクロ専用機が作られており、色情報がなくなるのと引き換えに解像度が大きく向上しています。

昔は演算に汎用のプロセッサーが使われていて、スマートな画像処理は困難でした。そこで各カメラメーカーは専用の画像エンジンの開発にしのぎを削ることになります。

SONYのデジタルカメラに搭載されるBIONZ、最新のα7SⅢには2個搭載されている。

写真の画質はレンズ、撮像素子のスペックに大きく左右されますが、この画像エンジンも負けないくらい重要な存在です。ベイヤー配列で欠けた光の情報を補い、真の「写真」に近づけるために画像エンジンは大きな役割を果たすからです。余談ですが、昨今のスマートフォンの大画素数を積んだカメラにおいては、画像エンジンによる補完に加え、AIが勝手に欠けた情報を「想像」し絵を「創造」する事態に発展しています。

何れにしても画像エンジンの進歩により、不完全な写真からより美しい画像が導き出されているのです。

ベイヤーフィルターに頼らずリアルカラーを得る取り組み

普通のデジタルカメラ(ワンショットタイプ)は演算によって補完された情報で写真が生成されます。場合によっては間違った情報が勝手に生成されるのですから、真正性の観点でいえば疑問を持たざるを得ません。実際に偽色と呼ばれるおかしな色が発生して、画像の見た目にも大きな影響をあたえることもあります。さらに解像度の観点でも、失われた画像がしっかりと補完しきれているとは言えず、スペック上の画素数に対して実質6、7割程度の画質に留まることになりました。

ちなみにビデオカメラの高級機などはレンズから入った光を一旦プリズムでRGB3色に分解して、RGB各3枚の撮像素子に結像、それらを1枚に合成する絵作りを行っています。これらの3CCD(CMOS)方式をスチルカメラに採用する試みが一部で行われました。

RD-175 3CCD、デジカメ黎明期においてミノルタの暗黒史となったモデル。 

1995年にはミノルタから3板方式のRD-175が発売されましたが、ボディが巨大化した上に様々な制約があり受け入れられませんでした。コンセプトは理想的でも実用レベルには達しておらず、仕事で使える代物ではなかったのです。 RD-175はセンサーサイズが小さな6.4×4.8mm(38万画素:出力は175万画素)のものでしたから、仮に中判サイズで3CCD方式をとるとなると手持ちにはとても耐えられない恐ろしいサイズになることでしょう。さらにただでさえ高価な中判センサーが3枚必要になり、組み立てに高い精度を要して歩留まりが悪いことからコスト的に受け入れられない状態になるでしょう。

1997年に設立されたアメリカのFoveon社はベイヤーフィルターへの疑念、リアルカラーの追求のために3CCD方式の研究開発を行っており、中判カメラの雄であったHasselblad社とのコラボで「DFinity」というモデルを2000年に発表しています。

DFinityにレンズ(キヤノンEF)を装着、どこかBlackmagicDesignのカメラデザインに似ていて、レンズマウントも偶然共通

ハッセルブラッドはすでにLeafのDCB-1をベースにしたDB-4000というモデルを発表していましたが、動体撮影をすることができずワンショットカメラとして3CCD方式に注目、正確な色表現が必要な限られた顧客向けにDFinityを提供、テストマーケティングレベルでごく少数が使用されました。2K×2Kの正方形のセンサーは400万画素を生み出し、ワンショットで正確な色再現をもたらしました。

このセンサーを開発したFoveon社ですが、のちに単板式でRGB3レイヤーの積層を実現した「FOVEON(フォビオン)」を開発することになります。これはベイヤーがカラーフィルターによって3色を分解、間引いた色をソフトで補間することで偽色を発生させていたのに対し、RGBすべての色を間引くことなく100%受け止める理想の方式でした。

フォビオンセンサーの図解。各色感層を配置する写真用カラーフィルムも図式である。

日本のSIGMAの完全子会社となったFoveon社は2002年に「SD9」という一眼レフのモデルを発表、現在も協業は続きシグマカメラの重要なキーパーツとなっています。

ワンショットでリアルカラーを得ることのできるFoveonセンサーですが、製造コストが高く、ノイズの問題(高感度領域に弱い)やデータの重さで高速化に不利(センサーが3枚なので三倍)、センサーの大型化が困難(現時点ではAPS-Cサイズが最大)など様々な問題を抱え、主流になることはありませんでした。

 

ワンショットの弱点をカバーするマルチショット

3ショットモデルのDCB-1を発表したLeaf社は同じ3ショット方式の6Mピクセル機Leaf(volare)を1998年に発売します。そして続いてベイヤー配列のCCDを搭載したワンショットモデルのLeaf(cantare)を発表しました。さらに2000年にはLeaf(cantareXY)というモデルでピクセルシフトによるマルチショットタイプが登場します。

筐体が同じ3タイプのデジタルバック。ピクセルシフト方式のマルチショットは1台で静物、動体対応を可能にした。

Leaf(cantareXY)はピクセルシフト方式によるマルチショット機です。圧電素子(ピエゾアクチュエーター)による微細なコントロールでセンサーをμ単位でXY(縦横)方向に移動しながら撮影することで、カラーフィルターを内蔵するターレットを使わずにRGB全ての色を取得することが可能になりました。さらにこちらは1台のカメラでマルチショットとワンショット撮影両方をこなすことがで、被写体を選ばない画期的モデルでした。

解像度を劇的に向上させたマルチショット

ピクセルシフト方式によるマルチショットを行うことでデモザイク、疑似補完のない真の画像を得ることができるようになりましたが、画素数を向上させる仕組みをもったモデルがスイスの名門Sinar(ジナー)から発表されます。

2000年に登場したSinarBack23HRは1ショット撮影撮影では6Mピクセルの画像を生成しますが、最大16ショットのマルチショット撮影を行うことで4倍の24Mピクセルという画素数をたたき出すことに成功しました。16ショット撮影は歩留まりが悪く実用面で疑問符がつきましたが、成功した時の2400万画素はこれまでのデジタルカメラの画質と一線を画すものでした。

現在では驚きもしない数字ですが、当時のコンシューマー向けデジカメの画素数が2Mピクセル程度だったことを考えると驚異のスペックでした。当然同じ24Mピクセルでもセンサーサイズが大きく間引きがないマルチショットの画像は、現在の最新デジタルカメラの画質とくらべても格段に高画質なものです。

中判デジタルカメラではありませんが、2000年にリコーから発売された「RDC-7」は2回露光とソフトウエアによる処理で解像度を2倍にするというユニークな機構を備えていました。

(1) PRO-Lモード(2画像合成撮影)
一つの被写体に対し2度露光し撮影を行うリコー独自の『Image Enhancement Technology』により、ファイルサイズを変えずに、通常撮影より解像度を20%アッ プさせた画像を生成するモード。
(2) PROモード(スムージング撮影)
画像のエッジなどに発生するギザギザ感を、独自アルゴリズムにより補間し画像をなめらかにする、出力画素数を707万画素にアップさせたモード。
(3) PRO-Hモード(2画像合成+スムージング)
PROとPRO-Lモードの併用により、解像度・出力画素数両方がアップする、超高精細撮影モード。

https://jp.ricoh.com/release/by_field/digital_camera/2000/0606_2

センサーサイズが小さくベースとなる画素数も少ないので画質に多くは望めませんが、多重露光による画質向上はデジカメ黎明期における斬新な挑戦でした。

 

そしてデンマークのImaconは2001年にFlexFrame 3020(3000×2000ピクセルの意)というシングルショットとマルチショット兼用モデルをリリースします。こちらは16回のマルチショット(同社はマイクロステップと呼称)により、24Mピクセルという巨大なデータを生み出すことに成功します。1年後に販売された後継機FlexFrame4040(4000×4000ピクセル)はシングルショットですでに1600万画素という高解像度をもち、マルチショット可能なモデルでした。

巨大な4×4サイズのデジタルバック 、マルチショット時は振動を抑えるためファンが停止する仕組みだった。

2003年にはさらに後継のImacon Ixpressシリーズにおいては2200万画素のマルチショット機(Ixpress 528C)が登場、16回マルチショット時には1億画素に迫る8800万画素という途方もない解像度を生み出しました。この頃は200〜500万画素が主流となっていましたから、いかに高画素だったかがわかります。

ボディの大半がヒートシンクとなっているImacon 528c

モデル末尾の528という数字はマルチショット時に得られるデータサイズが1枚528MBであることを意味しており、2000年代初頭にこのビッグサイズデータをハンドリング可能なPCは本当に限られたものでした。

2004年にImaconはHasselbladと統合されますが、Hシステムの専用モデルとしてCFデジタルバックが登場、ハッセルブラッド社はマルチショット機をラインナップに加えることになりました。2008年には完全にボディと一体化して開発されたモデル、H3DII-39MSが発売されます。

H2とCF39MSデジタルバック、マルチショット機構部のため少し長くなる。

この頃になると中判デジタルバックの画素数はワンショットで2000万画素越えが当たり前となり、演算で補完された不完全な画質でも高画素ゆえに「ごまかし」がきくようになってきました。

Leaf社はワンショットタイプのAptusシリーズに注力、マルチショット機の開発はされなくなりました。2009年には中判デジタルのリーディングカンパニー、PhaseoneがLeafを買収しますがLeafが切り開いたのマルチショット技術を取り込まずワンショットモデルに固執する戦略をとり続けています。

ニッチな市場ですが、画像の真正性が必要なデジタルアーカイブや特殊なブツ撮り分野において、Imaconを引き継いだHasselbladとSinarの2社がマルチショットモデルを提供していくことになります。

Hasselblad VS Sinar 時代は4億画素機へ

2011年にはハッセルブラッドから新しいマルチショットモデルのH4D200MSがリリースされます。Kodak製の大型CCDを積んだモデルで、ワンショットでは5000万画素ですが、6回シャッターを切り合成することで4倍の2億画素を実現しています。

6ショットの概要図(H6D400MSのもの)

このモデルは従来の16ショットではなく、6ショットという少ない回数で画像を生成することに成功しています。RGB全ての情報を4回の1ピクセル移動と、画素数を増やすのに1/2ピクセルずらした画像の情報がXY軸各1回で有効ということで、カメラシステムにかかる負荷、画像生成にかかる負荷を減らせたことは大きなポイントです。そして新しくなったHasselblad専用の現像ソフトPhocusとの相性もよく、撮影時のエラー発生頻度が劇的に改善したモデルでした。

負けずとSinarも新型モデルを発表します。2012年から販売されたSinarback eXactはダルサ製の4880万画素のCCDを積んだモデルで、16ショットで1億9200万画素を生成します。面白いのはハッセルのHシステムにも対応することで、H1、H2、H4Xでも運用することが可能になっています。

ジナーのマルチショットデジタルバック「eXact」 ノイズの原因となりかねない背面液晶を排したストイックなモデル。

もとは大判カメラメーカーのSinarは、デジタルバックもビューカメラ、テクニカルカメラに装着することを前提に製造されています。Sinarが製造する様々なオプションと親和性が非常に高く、いかなる撮影にも対応できるシステムの総合力が最大の強みで、世界中に根強いファンがいました。2013年にはお隣のドイツ、ライカカメラ社に買収されてしまいますが、eXact以降マルチショットカメラの発表はありません。

ハッセルは次機種H5Dにおいても2億画素のマルチショット機、H5D200MS、H5D−200cMS(4433センサーのCMOSモデル)をリリース、そして2018年にはついに4億画素のH6D−400cMSが発表されます。

孤高のマルチショット機、H6D−400cMS

H6D−400cMSは2016年に発表された1億画素機のH6D−100cのマルチショット版になります。ピクセルシフト機構分の延長部分が必要だった前モデルと比較してそれが不要になり軽量化されました。背面液晶のタッチパネルへの対応、テザーケーブルにUSB-Cが利用できるなどインターフェイスが劇的に改善されることになりました。

H6D−400cMS 側面のロゴ以外はH6D−100cと全く同じ。

センサーが1億画素(11600 × 8700)となり、センサーサイズ(53.4×40mm)から計算されるピクセルサイズは4.6 × 4.6μmとなります。このセンサーを4ショットでGRGBを得るために5.3μm上下左右に移動、さらにXY方向に2.65μm移動させる仕組みが取られています。たった1ミクロン、なんらかの原因で被写体、カメラがズレるだけで画質に影響が出てしまい、撮影にもこれまで以上の細心の注意が必要になりました。

撮影の条件が揃った時に得られる画像の素晴らしさはピカイチで、世界的に有名な美術館や博物館、学術機関でアーカイブ用途として使用されています。

ハッセルブラッドは2017年にはドローンで有名な中国のDJIに買収されることになりますが、マルチショット機の後継機種の発表がされることはなく、孤高の存在であり続けています。

一般化したマルチショット機能

一昔前まではマルチショットは数百万円する業務機の特殊機能でしたが、現在においては様々なメーカーのカメラに搭載されています。ボディ内に搭載されたセンサーシフト式手振れ補正機構を利用することでセンサーをXY方向に制御して「画素ずらし」、ソフトウエアによる合成を簡単に行うことができるようになったのです。

まず、2015年にペンタックスがK‐3Ⅱにてを搭載したマルチショットシステム(リアル・レゾルーション・システム:RRS)を搭載します。ボディ内のセンサーシフト式手振れ補正機構を利用してセンサーをずらしながら4回に分けて露光、RGBすべての色を受け止めます。ベイヤー配列の欠点であった勝手な補間処理による画像処理を回避、真の解像ということで画質が大きく向上します。

Pentax K-3 II レビュー -- ピクセルシフト解像度の図

RRSによるピクセルシフト解像度の図

ペンタックスはベイヤー配列の欠点を補い画質を向上させることを目的にして4ショットでRGBを得ることを目的にしていましたが、さらに1/2画素をずらした画像を取得して合成することで画素数そのものを向上させる仕組みもあります。

同じ時期にオリンパスのE-M5 Mark II(発売日はこちらが先)に搭載されたハイレゾショットは8回の露光で本来の解像度の16MPから40MPに増大(実際は4倍の64MPを得て40MP圧縮)させることを可能にしていました。

5-AXIS-STABILIZATION_E-M5MarkII_SLV_s.jpg

ボディ内手振れ補正機構を備えたE-M5MarkII、センサーをXY方向にシフトさせて画素ずらしを行う

他のメーカーも同じ仕組みを利用して次々にマルチショットに参入します。Panasonic/Leicaはハイレゾモード(8回撮影合成)、SONYはピクセルマルチ撮影(4or16回)、Fujifilmはピクセルシフトマルチショット(16or20回)、CanonはIBISハイレゾ撮影(9回)、Nikonはピクセルシフト撮影(16or32回)という具合です。

メーカーや機種によってそれぞれ必要とする撮影回数が異なっているものの、センサーシフトによる画素ずらしを行い得られた情報を合成して解像度を向上させる点は同じです。

カメラボディ内で処理が完了してその場で確認が可能な方式(オリンパス、ペンタックス、パナソニック、キヤノン、専用の画像ソフトに取り込んで合成方式を選べるタイプ(ソニー、富士フイルム、ニコン)に分かれ、メーカーによって考え方が異なるのが面白いところです。

気になるそれぞれの画質ですが、数字上の解像度が上がっただけで実用に達していないものも多く、得られる画素数だけを鵜吞みにするのは危険です。それぞれのメーカー、機種による特性、現像方式を理解した上での運用が必要です。

つづいての検証編ではマルチショットの効果について実際に検証してみます。

 

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