究極の画質を生み出すハッセルブラッド H6D−400c MS
CRAPHTOの超高精細画像はHasselbladのカメラシステムで撮影されています。
キヤノン、ニコンなどの有名カメラメーカーの機材ではなく、スウェーデンのハッセルブラッドというカメラに関心のない人には聴きなれないメーカーの機材を使用しています。
撮影に使われるカメラはH6D−400c Multi-shotというモデルです。
巨大センサーによって取り込まれる段違いの情報量
「中判」というカテゴリーのカメラで、フィルムの部分にあたるセンサーの大きさが通常のプロ用カメラの倍以上という大型カメラです。
一般のカメラと大きく違うのはカメラボディとバック部(センサーユニット)を分離することが可能で、バック部を入れ替えることでフィルム撮影にも対応します。
光を取り込むセンサーの面積が非常に大きいため、通常のカメラでは得ることが不可能な豊富な情報を取り込むことが可能になっています。
H6D−400cのセンサーのサイズは53.4×40.0mm、プロ用で使われているカメラ(フルサイズセンサー 36.0×24.0mm)と比較して2.5倍の面積となります。
昨今の高性能カメラを搭載したスマートフォン(iPhone14やGalaxy S21)のセンサー(1/1.7インチ前後)と比較するとその面積は50倍以上の面積となり、いかに巨大な規格外のセンサー積んでいるか写真を比較するとお分かりいただけるかと思います。
1ショットで得ることのできる画素数は約1億画素(11600×8700ピクセル)に達します。さらに複数回に分けてシャッターを切り合成するマルチショット撮影を行うことで、偽色のない正確な色情報をもった画像を得ることが可能です。
6ショットモードにおいては4億画素(23200 × 17400ピクセル)という途方もない超高精細画像を生成することができます。
4億画素という画質は高画質テレビ(4K:800万画素)の50倍の情報量となり、TIFFデータサイズは2.4GBという膨大なデータ量に達します。
さらにH6D−400cによって得られた画像は16bitの色深度をもち、通常のデジタル一眼レフカメラ(12bit)と比較して16倍、281兆もの色情報を保存します。
民間での商用利用はCRAPHTOのみ
H6D−400cはデジタルアーカイブに使われることを目的に開発された特殊専用機材で、主に学術機関等で使用されています。絵画の複製や文化財の調査保存などのプロジェクトに使用され、海外の有名な美術館や博物館で導入されています。
日本国内では大学や博物館向けに数台しか出荷されておらず、民間ではCRAPHTOのみが商用利用しています。またH6D−400cの超高精細撮影には大変シビアな運用環境が求められ、熟達のカメラマンによって性能を100%引き出すことを可能にしています。
残念なことにこのカメラの製造は終了、ベースとなるHシステムは2022年に販売が終了に伴い後継機種が出ることはありません。ハッセルブラッドは新しいミラーレスカメラであるXシステムに完全移行してしまいましたが、マルチショット機の後継機種は発表されることがありませんでした。
近年、ボディ内の手ブレ補正機構を利用したマルチショット機能をもたせる機種が出現していますが、あくまでもオマケの機能で著しい画質向上は期待できません。
H6D−400cは究極の解像度を持つカメラとして君臨し続けています。
4億画素が可能にする驚愕の超高精細画像
H6D−400cによって撮影された4億画素(23200 × 17400ピクセル 16bit TIFFサイズ2.4GB)という膨大な情報量は、人の目で見たままのイメージを正確に保存することが可能になります。
4億画素という解像度は例えばこれまでの写真表現では不可能だった、工芸織物の糸一本一本まで分解して組織を判別することを可能にします。
例えば日本の工芸織物を代表する本場大島紬、そのクオリティを確認するには絣(かすり)と呼ばれる染め分けられた糸を確認する必要があります。
従来のカメラでは解像度が足りないため、全体像、ズーム画像と確認したい箇所を数回に分けて撮影をする必要がありましたが、4億画素という画素数はそれを一枚で完結させることが可能にします。
また、学術標本などのマクロ撮影でも威力を発揮し、人間の目では決して捉えることができなかった画像を入手することができます。
例えば蝶の羽を拡大して、鱗粉の一つ一つまで確認することができます。このような拡大画像は顕微鏡写真でしか得ることができませんでしたが、1枚の写真で自然が作り出す驚異の造形美を捉えることが可能になりました。
その他にも、絵画の微細なテクスチャーを拡大して確認する、陶器の貫入具合を目で見る以上のディテールで保存する、設置後に解体が必要な巨大なクラフトアートを高精細に記録保存するなど、様々な用途で4億画素の超高精細画像は活躍します。
そしてさらに高い解像度が必要な場合、被写体をタイルのように切り分けて撮影する「タイリング」と呼ばれる手法で分割撮影、画像を合成することで40億画素程度の画像に仕上げることも可能です。
※汎用画像拡張子JPEGの規格限界が約40億画素
人間の目では捉えることができなかった隠された造形美まで表現するハッセルブラッドH6D−400c、CRAPHTOでは究極の画質を追求した結果、最高の機材を使用しています。